2008年9月22日月曜日

ツアープレーヤーたちのサービス精神

注目の組み合わせ、というのがある。たとえば、尾崎3兄弟の同組ラウンド。または青木功、ジャンボ尾崎、中嶋常幸のいわゆる“AON”の直接対決・・・。そんなとき、選手を追うカメラマンたちは、ぜひ3人とも同じフレームに収めたいと考える。しかし、そうそう上手くはいかない。偶然、一所に集まったときを狙ってカメラを向けても、誰か一人が背中を向けていたり、じっとうつむいたままだったり・・・。18ホールついて歩いてもけっきょく良いシーンが撮れずに徒労に終ったりする。あえて3人、お互いにくっつかないでおこうと相談しているのかと疑いたくなるほどだ(もちろん、そんなはずはないのだが)。だから、そんなカメラマンたちの気持ちを大いに察し、そちらのほうからベストショットを作ってくれようとする選手には思いのほか人気が集まる。その一人が杉原輝雄である。御年71歳。しかし関西のドンは大ベテランの矜持はつゆほども見せず、ツアーを盛り上げるためならばと、自ら道化を演じてみせるのだ。今週開幕の新規トーナメント「アジアパシフィックパナソニックオープン」は、8月に報道陣向けの事前のコース下見のラウンドと記者会見が行われたが、その際にも底知れぬサービス精神を見せたものだ。開催コースの大阪府・茨木カンツリー倶楽部は、ここでゴルフを覚えた杉原にとってはホームコースのようなもの。コースの“顔”として参加した杉原に同行したのは選手会長の宮本勝昌と、大会主催のパナソニック所属の石川遼。特に石川とは初の同組ラウンドで、報道陣の注目が集まっていた。16歳を相手にドンがどんな表情を見せるのか・・・。そんな期待を察しスタート前の練習場でさりげなく石川の背後に立ち、いざスタート後もあれやこれやと石川に他愛ないことを話しかけ、写真が撮りやすい位置に自らを置く。そればかりかその途中には、顔見知りのカメラマンのもとに寄ってきてそっと耳打ち。「もうこのくらいで大丈夫か?」。つまり「僕と遼クンの2ショット写真は十分に撮れたか」と、心配して聞いている。さらには「ほかにやっとくことあるか?」と、重ねて尋ねる親切さだ。

2008年9月10日水曜日

震えていないのに、ケータイが振動している気がするのはなぜ?

その日の晩は、彼女とのデートの約束があった。会う場所、時間はまだ未定。夕方には彼女から会社を出られる時間がケータイメールに届く予定だ。彼女からのメールを心待ちにしているなか、電車の中で僕の右の太ももが「ブルッ」という震えを感じた。おもむろにケータイをズボンのポケットから取り出すと…あれ、着信がない!? 確かに震えたはずなのに。ケータイをバイブモードに設定し、何らかの着信を待っている時に一度はこのような「錯覚の」バイブ着信を経験したことはありませんか? 実はこれ、米国ではphantom vibration syndrome(直訳すると「幻想振動症候群」)という名前がついているんです。2007年6月12日付の米紙『USAトゥディ』の電子版には、心理学と生物学の観点からこの症状を分析した記事が掲載されていて、「ケータイの着信に対する『過剰な意識』がこのような現象を生む」と記されています。この記事で取材に答えた認知学の専門家、米国のイリノイ大学心理学学部のアレハンドロ・イエラス准教授に、R25.jpが直撃! この症状を感じてしまう背景を尋ねてみました。「ケータイの着信を認知することは、人々にとって大事なこと。例えば、ケータイをバイブモードに設定してズボンのポケットに入れておくと、太ももでの何らかの刺激を『着信』として認知するようになります。この着信待ちの状態が意識的になると、仮に別のポケットに入っている財布が偶然太ももに当たっただけでも、脳がケータイの着信と捉えてしまうことがあるのです。このような状態は人間の知覚システムの『誤認警報』ともいわれています」この症状、もちろんバイブモードだけではなく着信音でも現れる。特に騒がしい環境だと、クラクションをはじめとする着信音に似た音を電話からの音と混同し、着信音と認識してしまうのだ。この論理だと、今回のように彼女からの連絡を待っている時などは、よりケータイの反応に敏感になっていたはず。そんなこんなで僕は、電車で一駅の間に5回の『誤認警報』を受けた後、ようやくリアルな着信にありつきました……。トホホ。