2008年6月19日木曜日

ヒトと遺伝子6割共通

ヒトなど脊椎(せきつい)動物の祖先はホヤ類ではなく、ナメクジウオ類であることが、ナメクジウオの全遺伝情報(ゲノム)解読で分かった。京都大、国立遺伝学研究所や英米などの国際研究チームが突き止めた。19日付の英科学誌「ネイチャー」に掲載された。ナメクジウオは脊椎動物の前段階で背骨に似た筋肉組織を持つ「脊索(せきさく)動物」の一種。大きさは3~5センチ。頭部はないが尾びれに似た器官があり、魚のように泳ぐ。ホヤも同じ仲間で、今から5億2000万年以上前に、ホヤ、ナメクジウオ、脊椎動物の順に進化したと考えられてきた。 研究チームの解析の結果、ナメクジウオのゲノムの大きさはヒトの約6分の1で、約2万1600個の遺伝子を特定した。このうち、1090個の遺伝子をホヤと比較し、ナメクジウオの方が早く現れ、原始的であることを確認した。また、遺伝子の6割がヒトと共通しており、並び順も似ていた。一方、ホヤは独自の進化を遂げた傍流と分かった。 佐藤矩行・京都大教授(発生ゲノム科学)は「ナメクジウオが脊椎動物の祖先に最も近い。ナメクジウオから脊椎動物が直接的に進化したと考えられる」と話す

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